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2007年2月25日

●臓器提供意思表示カード

臓器提供意思表示カード、通称ドナーカードですかね。脳死状態になった時に臓器を提供してもいいですよ。って言う意思を生きているうちに明らかにしておこう。っていうあれです。私も仮に人工呼吸器関連の事故で死んだとなれば脳死状態になりそうな予感がするので(合ってますか?)ドナーカード持っておこうかなとも考えているのですが、疑問点がいくつか。

  1. 署名の問題
  2. ドナーカードには自筆の署名が必要らしいですが、自分で署名できない場合代筆でもいいんでしょうかね。一応視覚障害者向けには視覚障害者線溶のカードがあって、代筆でもいいようですが、肢体障害者の場合はどうなるんでしょうか?どこかで「本人の同意の下の代筆署名は法的に有効」ってのを見た覚えあるな。どうなんだろうか?いざとなれば口にペンくわえて根性で署名しますかね。
  3. 臓器が使えるかという問題
  4. 一応体は今のところ健康なつもりですが、それでも健常者と同じ状態ではないとは思いますので。肺なんかも痰の吸引が必要なくらいですからダメージ受けてても不思議じゃない気もします。今のところ肺炎とかはおこしてませんが。それと腎臓も大丈夫でしょうか?普通の排尿方法じゃないんで影響受けてそうな予感がします。
  5. 解剖?の問題
  6. こんなこと言うのもなんですが、もし人工呼吸器がらみの事故で脳死状態になったとき死因を特定するために解剖されないかなという心配があります。病理解剖って奴ですかね?もし、「異常死」と判断されれば司法解剖に回される可能性もあるってどこかで見たような気もしますが。どうなんでしょうか?私にゃわかりません。

こんなこと考えるのもなんですが、死んだら意思表示できませんし。思い立ったが吉日です。こんな状態ですが、せめて死んでからでも社会貢献ができれば、とも思ってますんで。って、誰に聞けばいいんだか。

2007年2月24日

●自然な死

レジデント初期研修用資料を読んで勝手に思ったこと。私の能力不足のせいか普段は書いてあることがよく理解できないのだが、今回のエントリーは非常にわかりやすかった。(本人さんが見たらいい気はされないだろうけど・・・リファラでばれるかも)

「自然」な状態とは何か。自ずから然り。「自然」の感じ方が人によって違うから一概に言えないとは思うけれど、90歳を超えた寝たきりの老人を胃瘻を作ってまで生かし続けるのは私も自然だとは思わない。口からものが食べられなくなったと言うのは野生動物であればそれはすなわち「死」を意味する。呼吸ができなくなった場合も同じ。一時期経管栄養で今も人工呼吸器をつけている人間が偉そうに言えることではないけれど。

野生動物と比べるのはナンセンスだとしても、今の世の中って「自然」に死ぬことが本当に難しくなっていると思う。なまじ医療技術が発達したために、金と手間さえかければほっとけば死んでしまうような人でもかなりの間「生かし」続けることができるようになった。皮肉にも終末期にかけられる医療費は全医療費の中で結構なウエイトを占めているらしい。

こんな「消極的安楽死」を適用するときの言い訳になるような物語を誰か作ってくれると、感謝する医者多いと思う。

ここで言う「物語」とは、刑事責任に問われないための法律だったり、「遠縁の親戚の人」のような人からゴネられないための仕組みだったりなのかな。きっとそんな「物語」があった方が「多くの」患者も家族も医療従事者も幸せになれるはず。

そもそも80歳くらいのお年寄りがいわゆる医療ミスで亡くなったとして、もちろん患者や家族には気の毒だけれどもそれで数百万円とか数千万円の賠償が命じられるっておかしいと思う。常識的に考えて。ようは医療ミスが無かったとしてどのくらい余命が残っているのかという話。もちろん医療ミスを擁護している訳ではないけれど・・・。

●医学生対象の県修学資金、応募再びゼロ 新制度、周知不足か

奨学金については以前何度か取り上げました。
医師確保奨学金まとめ
そこでこんなニュースです。

医学生対象の県修学資金、応募再びゼロ 新制度、周知不足か 2007/02/24 10:59

 徳島大医学部生を対象にした徳島県の医師修学資金貸与制度の再募集が二十三日、締め切られた。応募者は結局ゼロで、同日消印有効の郵送分も望み薄。医師不足解消を狙った事業だが、同様の制度を持つ他の県でも苦戦するところが少なくない。徳島県は「新年度は応募時期を早めて再挑戦したい」としている。

 制度は、県が入学金や年五十三万五千八百円の授業料、月十万円の奨学金を貸し、卒業から一年半以内に医師免許を取得して、貸与期間の一・五倍の間、県内の公的病院で勤務すれば返済を免除する仕組み。

 募集枠は一-五年生各二人の計十人。昨年十二月四日から一カ月の募集で応募がなく、今年一月三十一日から再募集。今月開いた二回の説明会には計七人が訪れていた。

 県によると、同様の制度を実施している他の二十六県の状況も似たり寄ったり。本年度、十人を募った和歌山はゼロ、愛媛は二人の枠に対して一人、佐賀は五人に対して三人だった。

 初の試みが空振りに終わった徳島県だが、県医療政策課は「募集開始が遅かったため学生の関心を集められず、制度の趣旨が十分理解されなかったのかもしれない。新年度は早々に募集を始め、地域医療に貢献してくれる医師の確保に努めたい」としている。
http://www.topics.or.jp/contents.html?m1=2&m2=&NB=CORENEWS&GI=Kennai&G=&ns=news_117228232066&v=&vm=1


果たして周知不足が原因なのでしょうか?

●姑息

患者の誤解招く用語も 本田 麻由美記者

 「『標準治療』という言葉を多くの人が誤解してるんです」「それが、患者と医者の意思疎通を邪魔してる。別の言葉に変えられないのでしょうか」――。がん対策情報センター運営評議会ワーキンググループ(WG)の会議で、何人かの患者委員からこんな声が上がった。

 このWGは昨年末、分かりやすい情報提供の手法を考えるため、患者・家族ら15人と国立がんセンター職員とで発足、私も参加している。

 「標準治療」とは、英語の「スタンダード・セラピー」の訳で、大規模臨床試験で効果が証明された、その時点で最も成績の良い治療法のこと。だが、患者委員たちは「〈並の治療〉と捉(とら)えている人が少なくない」と口をそろえる。

 うな重の「並」「上」「特上」にたとえると、「並」より「上」の治療を受けたいと思うのが人情だ。このため、本当は「上」にあたる標準治療を受けているのに、「並の治療では心配。新聞やテレビで紹介された〈最新治療〉が受けたい」という患者会への相談が多いという。〈最新〉と呼ばれる治療法は、研究中で、効果や安全性が科学的に証明されていないものだ。

 こうした誤解の背景には、一般的な印象が強い〈標準〉より、特別な語感がある〈最新〉の方が良いはずだ、という思い込みがある。そんな言葉の響きが不信感につながっている現状は、患者にも医師にも不幸だ。これは、がんに限ったことではなく、アレルギー患者会の代表も、「私も誤解していたのよ。分かりにくいわ」と言う。

 患者が誤解しがちな言葉は、このほかにもある。

 「姑息(こそく)的治療」は、がんを治すことはできないまでも、つらい症状を緩和して、生活しやすくする治療のことを言う。例えば、病状が進んで根治が難しい胃がんでも、食事ができるような手術をすることなどで、「姑息」という語感は悪いが、患者から見ると大切な治療だ。

 また、「医療用麻薬」は痛みを取り除くモルヒネなどのことだが、「麻薬」という言葉に抵抗があるためか、日本では使用量が少なく、痛み緩和の治療が進まない一因になっている。

 こうした医学の世界で使われている言葉を、患者視点でわかりやすく言い換えることも、検討すべきだと思う。だが一方で、定着しつつあるのだから、本当の意味を知ってもらえばかまわない、という人もいる。皆さんはどう思われるだろうか。
(2007年2月9日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/medi/gantowatashi/20070209ik02.htm


正直に白状します。今まで姑息という言葉の意味を勘違いしていました。てっきり「卑怯」のような意味だと思ってました。「姑息な手段」という言葉の語感から勝手に思い込んでました。本来の意味は「一時しのぎ」という異味のようです。かなり恥ずかしいですが、、誤用する前に知ることができてよかったです。

こんな記事を後に発見しました。

病気の正しい理解が先決
本田 麻由美記者

 誤解を招く医療用語は、わかりやすい言い換えを検討すべきではないか――という前回(2月9日)の問題提起に対して、様々な意見をいただいた。

 科学的に効果と副作用が証明された、その時点で最も成績の良い治療法なのに、語感から〈並の治療〉と捉(とら)える人が多い「標準治療」という言葉について、東京都の山下みどりさん(50)は、「私も『最新治療』の方がいいと誤解していた」。「最新」と呼ばれる治療法は、研究中で効果や安全性が証明されていないことが多いため、「『実験治療』と言い換えたらどうか。それが無理なら、マスコミで取り上げる時に必ず説明をつけてほしい」と提案する。

 一方、茨城県に住む図書館司書の阿部宗徳さん(25)は、「『標準』の意味は『手本、模範』。『姑息(こそく)』は『一時しのぎ』であり、ずるい・卑怯(ひきょう)の意味はない」と解説し、「標準治療も姑息的治療も本来の意味を考えれば分かることで、語感が悪いというのは勘違い。医師がきちんと説明すればいいことではないか」と言う。

 これに対して、母親が乳がん闘病中のさいたま市の主婦(43)は、「患者・家族には、言葉から受ける印象が直接、気持ちや体調に響く。言葉の意味を理解しなさいと負荷を与えるより、普通の言葉に言い換える方が優しい対応ではないでしょうか」と指摘。脳腫瘍(しゅよう)を経験した30歳代の会社員も、「大抵の人は、自分が病気になったことを受け止めるだけで精いっぱい。少しでも患者の負担や誤解をなくすため、理解しやすい言葉を使ってほしい」と注文する。

 また、「『白血病』や『がん』には『死』のイメージが強く、聞いただけで動揺する」「死を連想させる『がん』という病名は、変えられないだろうか」という意見もあった。これについて、国立がんセンターがん対策情報センターの的場元弘医師は、「否定的なイメージで、患者の治療にマイナスになる言葉は変えるべきだ。だが、『がん』を言い換えても、治療やケアのあり方を前進させなければ、新しい病名にも同じイメージがついて回る」と指摘する。

 その通りだと思う。治療の選択肢を増やしたり、患者が情報を入手しやすくしたりすること。そして、患者でありながらも元気に活躍している人の姿を知ってもらうことなどを通じて、「がん」という病気への正しい理解を広めていくことが、言葉の言い換え以上に重要だ。
(2007年2月23日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/medi/gantowatashi/20070223ik02.htm


こういうのも言葉狩りの一種でしょうか?「痴呆」が「認知症」になったり、「障害者」を「障がい者」と書いてみたりと・・・。私は基本的にこのような言い換えには反対です。記事中の言葉を借りると「正しい理解を広めていくことが、言葉の言い換え以上に重要だ。」だと思いますね。

2007年2月23日

●春告鳥

「春告鳥」と書いて「うぐいす」と読むそうですが、今日うぐいすの声を聞きました。今年初です。まだまだ未熟なのか下手くそな鳴き声でしたが。もう春でしょうか。

●難病の59歳、大学院合格 呼吸器つけ文字盤で受験

難病の59歳、大学院合格 呼吸器つけ文字盤で受験

 全身の筋肉が動かなくなる進行性の難病、筋委縮性側索硬化症(ALS)で人工呼吸器をつけている東京都府中市の佐々木公一さん(59)が23日、東海大大学院健康科学研究科に合格した。

 佐々木さんは手足が全く動かないため、目線で文字盤のひらがなを示し、介助者が読み取って記入する方法で16日に受験した。患者団体の日本ALS協会によると、呼吸器をつけたALS患者が入学試験に合格するのは初めて。

 佐々木さんは4月から、介助者とともに同大伊勢原キャンパス(神奈川県伊勢原市)に車で往復3時間かけ、車いすで通学する予定。合格の知らせを受け「病気と自分を語ること。それを優しく受け入れること。そんな社会を目指す勉強をしたい」と喜びを表した。

 東海大は「普通の受験者と同じ条件で実力が認められた。話し合いをしながら、今後の勉強を支援していきたい」としている。
(共同)
(2007年02月23日 12時30分)
http://www.tokyo-np.co.jp/flash/2007022301000276.html

なんだか勇気付けられるニュースです。私だってセンター試験までは受けられたんだし、後は学力と通学できる環境さえ整えば・・・。佐々木さんにはがんばってもらいたいものです。

2007年2月22日

●Vista用のフォントをXPで使う

タイトルの通りです。変更前のスクリーンショットでも取っておけばよかったのですが・・・。なかなか見やすいと思います。詳しくは以下から
http://www.microsoft.com/japan/windows/products/windowsvista/jp_font/jis04/default.mspx

蛇足ですが、今回困ってしまったのが奈良県葛城市
katsuragi.jpg
逆にラッキーだったのが葛飾区
katsushika.jpg

●掛川ブランド

一応掛川人としてうれしくなるニュースです。しかし、掛川でヤマハのアップライトピアノが作られているなんて今まで知りませんでした。掛川市には結構大手企業の工場があって、例えばPの携帯とかNECのモデム類なんかも掛川で作られているそうです。

記事中の亀山氏がシャープの工場を誘致するのに百数十億もの補助金を出したらしいですね。もちろん工場ができれば雇用が創出され、税収も増えて地域は潤います。近頃は製造業の国内回帰の動きが加速しているようで、国内で工場、企業誘致合戦が活発化していくでしょう。海外に工場を作るよりも高品質なものが作れ(不良率が低く、かえって安上がりだとか)、技術流出の心配もないという背景があるようです。過剰な誘致合戦は問題だとは思いますが、基本的には歓迎できる流れだと思います。

ヤマハピアノ「掛川産」PR シャープ「亀山」に続け
2007年02月22日01時05分

 いまやすっかり有名になったシャープ(大阪市)の「亀山モデル」。三重県亀山市の最新鋭の液晶テレビ工場にちなみ、商品に亀山の名を付けて国産であることを強調、売り上げ増につなげた。それを手本に動き始めたのが、楽器メーカーのヤマハ(静岡県浜松市)だ。ピアノの上級モデルに産地名をつけ、PRし始めた。地名を工業製品につける動きは、これから広がるかもしれない。

 「『日本製』の価値を打ち出し、信頼できる商品であることを示す必要が出てきた」(ヤマハ)。同社は昨秋から、縦型ピアノの上級モデル「YUSシリーズ」を「掛川産」と称して特約店にPRを始めた。

 ピアノは、上級品であればあるほど、調律作業などで高い技能が必要とされる。同社は、浜松工場でグランドピアノを、静岡県掛川市の掛川工場で縦型の製品を生産している。技術を1カ所に集めて効率を高めようと、10年にピアノ生産を掛川に集約する計画だ。

 それに合わせて企画したのが亀山ならぬ、「掛川産」。少子化で需要は限られるなか、海外勢や他社との差別化を図る必要がある。そこでシャープの成功例に目をつけた。

 掛川産は緒に就いたばかり。楽器店が「掛川モデル」としてインターネット上や店内でPRするが、成果はまだ未知数だ。
http://www.asahi.com/business/update/0222/004.html

2007年2月18日

●人工呼吸器関連の事故

少し前のニュースを引っ張ってくるが、人工呼吸器関連の事故のニュースがあった。

ひとつは千葉の国立下志津病院で20代の筋ジストロフィーの患者の男性患者の呼吸器の接続が外れ、意識不明の重態となったもの。おそらく心配停止の状態が長く続いたため脳の障害が残ったのでしょう。

もうひとつは埼玉のみさと健和病院で当時55歳の主婦の人工呼吸器が外れて死亡したというもの。

報道を見る限り、どちらのケースも警察が「業務上過失致死傷罪」の疑いで警察が動いているようです。

ここのケースを詳しく見てみようと思います。

まずは千葉のケースから。読売新聞によると

午後9時ごろに男性患者からナースコールがあったが、看護師が駆け付けたのは約10分後で、すでに心肺停止状態だったという。

だそうです。呼吸停止からだと約10分で、心臓停止からだと約3分で50%が死亡するといわれていますから、ナースコールが鳴ってから駆けつけるまで10分も掛かったと言うのは遅すぎると思います。

共同通信によると

 下志津病院によると、昨年10月27日午後9時ごろ、人工呼吸器とマスクをつなぐ管が外れ、男性や同室の患者3人がナースコールをした。看護師が駆け付けた際には、容体が急変していたという。

 当時、病棟では看護師3人が勤務。午後9時ごろはナースコールが重なる時間帯で、別の部屋を回った後に駆け付けた。

本人と同室の3人が同時にコールを鳴らしたようです。病院によって違うかもしれませんが、大体の病院ではナースコールを取ったときにマイクで用件を伝えられるようになっていると思いますので、同室の誰かがが「人工呼吸器のアラーム鳴ってるよ」と、伝えなかったのでしょうか?この病棟に人工呼吸器管理の患者が何人いたのかはわかりませんが、人工呼吸器患者のコールは最優先にしてほしいものです。少なくても私の病院では1分以内に来てくれます。と言うかそれ以前に人工呼吸器やサチュレーション(動脈血酸素飽和度)モニターのアラームは鳴らなかったのでしょうか?100歩譲ってナースコールを後回しにしたとしてもこれらのアラームを無視したとするなら問題だと思います。

ただ、当時病棟で勤務してた看護師は3人ということで、患者の人数や状態にもよると思いますが、看護師の人数が少なければ色々と無理も出てくるでしょう。無理のある勤務環境であったのであれば、看護し個人に責任を問うのは酷ではないかと思います。

次に福島の件について。毎日新聞の記事によると

 同署などによると、女性は同年4月6日、右足骨折で入院。同16日、骨を固定する手術を受けたが、生理食塩水などの輸液を過剰投与され急性心不全を起こした。手術後、人工呼吸をしていたが、同日、病室で看護師2人が女性の体をふいていた際、女性が動いたため、気管内に通していた管がずれた。すぐに男性医師が駆けつけたが、ずれていないと判断。その後、チアノーゼの症状が表れ、約25分後に別の医師が再送管したが意識不明となった。死因は低酸素脳症による多臓器不全だった。
清拭中に管がずれたのはやむをえないかと思うのですが、管がずれていたのに気づかなかった医師には問題があると言えそうです。
 県警は▽看護師は女性が動かないように両手を押さえるなどの措置を怠った▽医師は管がずれたことに気付かず再送管を怠ったことなどが過失にあたるとしている。
これはどうなのでしょうか。管がずれたことに気づかなかったのは確かに問題ですが、例え気づかなくてもサチュレーションの値が下がったことにすぐに気づけば死亡することはなかったと思います。ですからこのケースで問題なのはずれていることに気づかなかった医師個人ではなく、その状態に25分間も気づかなかったシステム上の問題だと思います。
 同病院は「遺族とは示談が成立し、病院に刑事罰を希望しないとの要望書の提出も受けている。刑事罰を科されるものではないと確信している」としている。
人工呼吸器管理には非常に高いリスクが伴います。だからといってミスが許されるとは思っているわけではありませんが、今後病院での人工呼吸器に関する事故すべてに刑事罰を科していくようになると、病院側もリスクを恐れるようになり、リスク排除のため人工呼吸器の患者は受け入れない、という病院が出てきても不思議ではありません。事実、近頃はこうした「防衛医療」の流れがだんだん広まっているように感じます。事故が起きたとき、逮捕されたり高額の賠償金を支払わねばならないことがある今の現状では無理もないかとも思いますが、ではハイリスクな患者はどうすれば、ということになってきます。

まとまってないですがここらで公開

記事の全文はこちら
人工呼吸器事故@千葉
人工呼吸器事故@埼玉

●2.18事件

我々は福島事件で逮捕された産婦人科医の無実を信じ支援します。

私は医療従事者ではありませんが、便乗してこっそり賛同します。詳しくは新小児科医のつぶやきをご覧ください。支援しますと言ったところで何かできるといったわけではありませんが。

医師が行った医療行為の結果によって逮捕されたということ。あってはいけないことだと思います。もちろん悪意の故意なんかの場合は別ですよ。立派な殺人ですから。ただ、正しい医療行為を行ったにもかかわらず、不幸にも患者が亡くなってしまった場合はどうでしょうか?それで逮捕されるようなことがあれば誰もハイリスクな医療を行わなくなると言うのは自然流れだと思います。

そうなって一番困るのは患者です。人工呼吸器を使うのは常に高いリスクが付きまといます。事故の報道も時々目にします。事故があればマスコミからバッシングされ、場合によっては警察も介入してきます。その結果受け入れ事態を制限する病院が出てきても無理はありません。(事実困っています。)

ここ最近ニュースや新聞なんかでどこどこの病院が分娩を扱わなくなった、などという知らせを良く見るようになりました。もちろん色々な要因があってのことだとは思いますが、この2.18事件もかなり大きな原因だと思っています。

今日産婦人科残酷物語 Ⅱを読んでいて涙が出てきました。普段はにやにやしながら読んでいるのですが・・・。警察が介入することによって医療の現場がどれだけ混乱するか…。

もはや手遅れかもしれませんがこのまま放っておくわけには行かないと思います。できるのは多くの人にこのことを知ってもらうこと。それだけです。

福島事件に関してはある産婦人科医のひとりごと自体にもかなり情報がありますし、たくさんリンクも張られていますのでもしよければ調べてみてください。

2007年2月12日

●ホームレス・ダンピング

とりあえず紹介だけ。これがアメリカの医療の現実です。一部で絶賛している方もいるようですが・・・。

病院がホームレス患者を放り出す LA市のドヤ街に

 米国で、ホームレスの入院患者を邪魔だとばかりに街頭に投げ捨てる、いわゆる“ホームレス・ダンピング”が社会問題化している。最近も、米カリフォルニア州ロサンゼルスの病院に入院中だった男性が、ロサンゼルスのドヤ街に放り出されるのが目撃された。入院費も払えないホームレスの患者の対応に困った病院が、患者を放り出すのは現代版の“姥捨山”といえるが、ロサンゼルス市警(LAPD)でも、悪質なケースとして調査を始めている。(ベリタ通信=江口惇)

 LAPD管内では、2年前から病院がホームレスをドヤ街に放り出すケースが目立っている。最近のケースは、2月8日に目撃された。同日午前10時45分ごろ、白いバンがドヤ街に乗りつけた。ドアが開くと、病院のガウンと人工肛門用のバッグを持った男性患者がふらついた格好で出てきた。

 バンを運転していたのは女性。周囲の人が「車椅子はないのか」「歩行器は」などと声をかけたが、何も答えず立ち去った。人々の通報で警察が現場に駆けつけた。患者の年齢は41歳で、グラディス公園近くで見つかった。

 警察に対し、男性は、「どこにも行くところがない」と話し、また「病院からこれ以上いることはできないと言われた」ことを明らかにした。その後別の医療施設に送られ、手当てを受けている。

 警察が調査した結果、バンは、「ハリウッド長老派メディカルセンター」が手配したものとわかった。LAPDのある捜査官は、これだけ冷淡な扱いは見たことがないと憤っている。

 「ハリウッド長老派メディカルセンター」の幹部ケイラー・シェムバーガー氏によると、患者は7日に退院し、バンでドヤ街近くにある避難施設に送る予定だったが、満杯だったため、いったん病院に戻り、翌8日に朝に再度、ドヤ街にバンで送ったと話している。

 “ホームレス・ダンピング”をめぐっては、これまでに数十の病院が問題を起こしている。2006年3月には、「カイザー・パーマネント」病院が、ホームレス患者を、ドヤ街に放り出したことがわかり、大きな問題になった。

 女性は公園で生活していた63歳の女性。認知症で病院で数日間滞在した後、病院側は、タクシーを呼び、ドヤ街まで運んだ。タクシーが停車した周辺に監視カメラが設置されていたため、タクシーから降りた女性が、方角がわからず、車道脇をおぼつかない足取りで歩いている姿が記録された。その後カメラのビデオが公開されたため、大きな問題になった。

 ロサンゼルス市検事局では、2006年11月、病院側が患者を放り出したとして、刑事告発している。同時に民事訴訟を起こし、今後の患者の放り出しを禁じる決定を下すよう、裁判所に要請している。

 63歳の女性に対する問題では、「カイザー・パーマネント」病院に勤めていた看護助手が、捜査当局に協力したため失業するという事態にもなっている。このため看護助手が病院側を訴えている。

2007年02月11日02時11分
http://news.livedoor.com/article/detail/3024289/

2007年2月11日

●人工呼吸器事故@埼玉

とりあえず記事のアーカイブ

詳しくは人工呼吸器関連の事故

みさと健和病院医療事故:適切な処置怠った医師ら書類送検--県警 /埼玉

 三郷市の「医療法人財団健和会みさと健和病院」で02年、人工呼吸器の管が気管内でずれて意識不明となった入院中の女性患者(当時55歳)が3カ月後に死亡した医療事故で、県警捜査1課と吉川署は6日、適切な処置を怠ったなどとして同病院の男性医師(34)と31歳と27歳の女性看護師を業務過失致死容疑でさいたま地検に書類送検した。

 同署などによると、女性は同年4月6日、右足骨折で入院。同16日、骨を固定する手術を受けたが、生理食塩水などの輸液を過剰投与され急性心不全を起こした。手術後、人工呼吸をしていたが、同日、病室で看護師2人が女性の体をふいていた際、女性が動いたため、気管内に通していた管がずれた。すぐに男性医師が駆けつけたが、ずれていないと判断。その後、チアノーゼの症状が表れ、約25分後に別の医師が再送管したが意識不明となった。死因は低酸素脳症による多臓器不全だった。

 県警は▽看護師は女性が動かないように両手を押さえるなどの措置を怠った▽医師は管がずれたことに気付かず再送管を怠ったことなどが過失にあたるとしている。

 この医療事故は02年8月、同病院が記者会見して発覚し、病院が遺族に慰謝料を払うことで示談が成立している。同病院は「(女性と遺族に)心よりおわび申し上げます」とコメントした。【村上尊一】

毎日新聞 2007年2月7日
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/saitama/archive/news/2007/02/07/20070207ddlk11040421000c.html

●人工呼吸器事故@千葉

記事のアーカイブ

詳しくは人工呼吸器関連の事故

人工呼吸器はずれ20代男性意識不明 千葉の国立病院

 千葉県四街道市の国立病院機構「下志津病院」(西牟田敏之院長)で昨年10月、筋ジストロフィー専門病棟に入院中の20歳代の男性患者に装着されていた人工呼吸器とマスクをつなぐ管が外れる事故があったことが6日、わかった。

 男性は現在も意識不明の重体で、病院から連絡を受けた四街道署が業務上過失傷害容疑で調べている。

 病院などによると、男性の呼吸器の管が外れたのは昨年10月27日。午後9時ごろに男性患者からナースコールがあったが、看護師が駆け付けたのは約10分後で、すでに心肺停止状態だったという。

 この日は週に2回ある入浴日で、入浴用の管と普段使用している管を取り換える際に不備があった可能性があるとみられている。病院は家族に謝罪するとともに、院内の医療安全に関する調査委員会で原因解明を進めている。
(2007年2月6日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20070206ik0b.htm

下志津病院医療事故:非公開、取材応じず 「プライバシーに配慮」 /千葉

 四街道市の国立病院機構「下志津病院」で、筋ジストロフィー専門病棟に入院中の男性患者が意識不明の重体になった医療事故で、同病院は事故を公表せず、毎日新聞の取材にも詳細を明らかにしていない。最近は病院側の過失で死亡など重大事故などが起きた場合は、プライバシーに配慮しつつ公表するのが流れだが、同病院は「患者と家族の意向を酌んで、プライバシー保護を最優先にした」と説明するにとどまっている。【山本太一】

 ◇国・国立病院機構、統一基準なし

 新潟県は00年、県立病院での重大事故の公表基準を都道府県レベルで初めて設けた。公表は患者や家族の同意が必要で、他病院へ警笛を鳴らす意味合いや再発防止が目的だ。さらに、未公表のままマスコミの報道で事故が明らかになった場合、病院の「隠ぺい体質」が問題視され、信頼の落ちるのを防ぐ意味合いもあるという。

 基準を設ける病院が増える一方、国や国立病院機構の統一基準はない。「下志津病院」も基準はなく、医療ジャーナリストの伊藤隼也さんは「国立病院機構という国の医療を担う病院に基準がないのは時代の流れに逆行している」と指摘する。

 同病院は今回の事故をミスと認め、家族に謝罪したが、「家族の強い要望があった」と未公表の理由を説明する。しかし、ある大学病院は「最初は反発する家族もいるが、公表の意味合いを説明し、納得の上で公表している」と説明する。

 また、筋ジストロフィーという難病患者が被害にあった点も注目される。患者の多くは少年期に発症し、次第に全身の筋肉がまひし、自発呼吸も困難になるため、人工呼吸器をつける患者が多い。現状では受け入れ施設が少なく、高度な医療的措置が必要なため、専門病棟のある国立病院機構などの病院に患者が集中せざるを得ない背景がある。人工呼吸器が外れても即座に対応すれば意識不明にならなかった可能性はあり、「なぜ看護師がすぐにナースコールに対応しなかったのか」(伊藤さん)など、プライバシーを配慮した上で詳細な説明が求められる。

毎日新聞 2007年2月6日
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/chiba/archive/news/2007/02/06/20070206ddlk12100299000c.html

2007年2月10日

●医師確保奨学金まとめ

最近医師確保のために卒後縛りのある奨学金制度を設ける自治体のニュースがいくつかありました。以下関連するエントリー


地方の医師不足が深刻化する中、自治体なりにさまざまな手を考えているようです。岩手のとある自治体は赴任した医師に馬を一頭プレゼントするだとか(参考)・・・馬刺しにするくらいしか思いつきませんが。

自治医科大学という大学があります。僻地医療、地域医療の充実の目的に、各都道府県の共同の出捐によって作られた大学で、6年間の学費を貸与され、返還を免除されるには卒後9年間地域医療に従事しなければいけない。こんな制度の大学です。

各自治体の行っている助成金制度もこの自治医科大学の制度によく似ています。自治医科大学の問題点としては9年間の義務年限を終えた後の地元定着率が低いことがあるようです。また、早期に貸与金を返納してフリーになる人もいるようですが、これらの問題点は各自治体が行っている制度にも言えることだと思います。

たとえば千葉の3200万円ですが、医師不足に悩んでいるのは都市部の病院でも同じですので、場合によっては都市部の病院が貸与金を肩代わりして医師を引き抜くと言ったことも無きにしも非ず・・・。邪推でしょうか。

これはもうお金の問題では無いように思います。毎日新聞の連載『医療クライシス』によると研修医は研修先の病院を選ぶ際の基準として、給料よりもその環境を重視しているようです。

「医師の少ない病院は、当然雑用が増える。患者と接する時間があるのか、きちんと勉強ができるのか」
「未熟なのに即戦力にされるのは怖い。すぐ訴訟になる時代に、そんなリスクの高いことはしたくない」
「2年間の研修で、都市部の病院で働くメリットを感じた。多くの大学や病院があり、いろいろなやり方や考え方に触れられる。腕を磨くには地方より都会の方がいい」

人手不足の地方病院だと労働力として駆り出されるため十分に勉強する時間が無いので研修医が集まりません。一方人手が十分ある都市部の病院は研修の環境が充実しているため研修医が集まります。研修医にそのまま病院に残ってもらえば、新たな研修医にとって魅力的な研修先となり人手が集まります。

地方の病院は人手不足の悪循環に陥り、都市部の病院は逆に上に書いたような好循環となる・・・と言ったような構図が見えてきます。地方と都市部と分けるのは間違っているような気もしますが(地方でもがんばっているところもあるはず)、この悪循環をどこかで断ち切らないといけないと思うのですが妙案が思い浮かびません。

もちろん医療現場を取り巻く問題はこれだけではないと言うことはわかっちゃいますが・・・。

忍び寄る崩壊の足音/7 研修医「給料より勉強」

 ◇人材育成力ある都会に集中

 北陸地方出身で岡山県内の大学を卒業した男性研修医(25)が選んだ研修先は、出身地でも岡山でもなく、東京の大学病院だった。

 出身県の病院の合同説明会。ある病院の担当者が「研修医が来てくれない。願書を出すだけでもいいから」と勧誘するのを聞き、地方の実情に衝撃を受けた。「医師の少ない病院は、当然雑用が増える。患者と接する時間があるのか、きちんと勉強ができるのか」と不安になり、一緒に行った友人とともに途中で退席してしまった。

 現在の収入は月15万円程度。地元の病院に行けば倍になり、ボーナスもあった。しかし「今の大学病院には、専門分野を持つさまざまな先輩がいて、教わることができる。給料が低くても、今は出来る限りのことを勉強したい」と話す。

 東北地方の大学を卒業した女性研修医(26)も、東京の大学病院を選んだ。「未熟なのに即戦力にされるのは怖い。すぐ訴訟になる時代に、そんなリスクの高いことはしたくない」と、医師が少ない地方の病院に行くことに不安があったという。出身大学なら1年に1回の大イベントとなるような有名医師を招いての勉強会も、東京では1カ月に1回程度あり、「まずは勉強」との思いが満たされる。

 大阪市内の病院で働く男性医師(26)。生まれ育った四国の大学を卒業後、この病院で研修してそのまま就職した。「2年間の研修で、都市部の病院で働くメリットを感じた。多くの大学や病院があり、いろいろなやり方や考え方に触れられる。腕を磨くには地方より都会の方がいい」

 医療研修推進財団の07年度版「臨床研修病院ガイドブック」によると、研修医1年目の給料は、大都市の方が地方より安い傾向にある。東京や大阪では月30万円未満の病院の方が多いが、多くの県では30万円以上の方が圧倒的に多い。それでも、多くの研修医は都会の病院を目指す。

  ■   ■

 堺市の市立堺病院は、07年度の研修希望者が定員の9・8倍に達した。公立病院では全国有数の倍率を誇る人気だ。30年以上前から臨床研修病院としてノウハウを蓄積してきたことが、人気の秘密とみられる。東京、大阪以外の地方の病院でも、研修内容が充実した病院は人気が高い。

 市立堺病院の男性研修医(29)は「この病院には医師を育てようという思いがあふれている。診療科の垣根も低く、研修医同士で知識を共有できる。ここで医師としての下地を身につけたいと思った」と語る。

 同病院が研修に力を入れる背景には、医師確保対策もある。研修医にそのまま病院に残ってもらい、自前で優秀な医師を育てる体制を確立したいと考えているからだ。

 田代扶美雄総務課長は「医師不足で診療を縮小・休止すると患者に迷惑をかける。患者に選んでもらう病院になるためには、まず医療従事者に選んでもらう病院を目指すべきだ」と説明する。

 全国医学部長病院長会議で、地域医療に関する専門委員会の委員長を務める小川彰・岩手医科大医学部長は「こんな状況が続けば、地方の医師不足は目を覆うほどになるだろう。都市部の病院でも、医師を自前で育てるノウハウを持たなければ医師を確保できなくなる。病院の格差はますます広がるのではないか」と警告する。

毎日新聞 2007年2月2日 東京朝刊

http://www.mainichi-msn.co.jp/science/medical/crisis/news/20070202ddm002100040000c.html

●医師確保奨学金@静岡県

静岡県については前にも何度か取り上げた。


千葉もそうだが、静岡もロケーション的には都市圏に近いと思っていたのだが・・・。

「医師確保 県が新制度」 全国の医学生対象に奨学金

 静岡県内で医師不足が慢性化している問題で、県は二〇〇七年度から、院外研修助成事業と、全国の医学生を対象にした奨学金制度を二本立てでスタートさせる。技術水準を上げて医療環境の魅力を高め、奨学金との相乗効果で県外からの人材確保を狙う。研修助成について、県は「全国の都道府県でも例がないのでは」としている。

 県によると、院外研修助成事業は、国内外の病院や研究機関で高度な研修を受ける現役医師を対象に、研修費用の二分の一、一人当たり最大四百万円を助成する。初年度は県内の三病院を想定している。

 奨学金は、国内の大学医学部か医科大に在籍していれば、県出身者でなくても受けられる。貸与額は在学中に月額二十万円。卒業後に県内の医療機関で貸与を受けた期間の一・五倍以上を勤務すれば、返済は免除する。初年度は五人を予定している。同様の奨学金は三重や長野など二十六県が取り入れている。

 院外研修助成事業と奨学金制度の運営費を含む医師確保対策事業費を、〇七年度当初予算案では前年度当初の約七倍に当たる一億九千万円計上する。県は〇五年度から、県立病院での研修医受け入れ枠を拡大するなど医師確保対策を取ってきたが、医師の増員には直接は結び付いていない。

 県によると、県内の人口十万人当たり医師数は百七十二人(〇四年十二月末現在)で、全国平均の二百人を大幅に下回る。特に産婦人科と小児科が深刻で、二〇〇〇年以降、産婦人科は浜松労災病院(浜松市)など三病院、小児科も三島社会保険病院(三島市)など三病院が廃止した。

 小児科医が不足している袋井市立袋井市民病院に三月末まで、県立こども病院の医師を派遣するなど緊急対応を迫られているのが現状だ。県健康福祉部は「研修助成や奨学金で体質強化を図り、中長期的に医師不足を解消していきたい」としている。

http://www.chunichi.co.jp/00/siz/20070202/lcl_____siz_____003.shtml

院外研修助成というのはなかなか珍しいかもしれません。つまりは静岡で働けばこういった研修助成が受けられるから静岡で働きませんか?と言うことでしょう。1億9000万と言う予算の大きさを見ても静岡県必死さが伺えます。

ふと思ったのですが、医師が研修する際の費用って自腹なのでしょうかね?そこらへんの事情には疎いのでよくわかりませんが。記事を読む限りそう取れなくもないですが。

●医師確保奨学金@千葉県

千葉県でもありました。

千葉県が破格の奨学金創設へ 私大医学生対象、3200万円

 深刻化する過疎地での医師不足に対応するため、千葉県が私立大学の医学生を対象に、1人当たり在学6年間で総額3200万円を上限とする奨学金制度を創設することが1日、分かった。協定を結んだ東京都内の私立大医学部、医大の受験生に「地域枠」を設けて奨学生を募集。卒業後、県内の医療機関に7~9年間勤務すれば奨学金の返還を免除する。県外の大学に地域枠を設定するのは全国でも初めてで、これほど高額の奨学金も異例という。(名古屋和希)

 千葉県の計画では、県内に付属病院を持つ東京慈恵会医科大学、東京女子医科大学、日本医科大学など6大学のうち2大学と協定を締結。来年以降の入学生を対象に毎年各大学2人、計4人分の奨学金を大学を通じて医学生に貸与する。

 大学側は地域枠を設けて受験生を募集し、県が資格審査を行って対象となる受験生を決める。入学金が必要な初年度は700万円、2年次以降は年間500万円を限度額とし、奨学金を出す。協定を結んだ6大学の在学6年間の平均授業料総額は3300万円程度なので、県からの奨学金で学費の大半をまかなえることになる。

 奨学生は臨床研修後に小児科と産科は7年間、それ以外は9年間、医師不足に悩む県内の自治体病院に勤務すると奨学金の返還が免除される。県は地域医療医師養成事業として19年度予算案に3100万円を計上した。

 入試に地域枠を設けた奨学金制度は兵庫、岩手両県が県内の私立医大を対象に導入している。このほか、青森県や宮城県などでは県内外の医大生を対象に年間数十万~240万円程度の奨学金を交付しているが、授業料を全額まかなえるまでにはなっていない。

 また、これらの県では都市部の方が先進的な医療技術を習得しやすいとして、ケースも少なくなかった。千葉県は奨学生の卒業後のプログラムにも工夫を凝らし、勤務後の数年間は都市部の大学病院での研修を取り入れ、先端技術を学べるようにするという。

(2007/02/02 03:43)
http://www.sankei.co.jp/kyouiku/gakko/070202/gkk070202000.htm

3200万と言えばなかなか高額です。記事中にもありますが、これだけあれば私立の医学部の学費の大半をまかなうことができそうです。この記事からはどこの大学が対象化はわかりませんが、一部の大学を除けば入試の難易度は(国公立>私立)ですので、おそらく千葉県の狙いとしては「医学部に行きたいけど国公立の医学部に受かるほどの学力はない、しかし私立に通うだけのお金もない」という人を対象にしているのでしょう。千葉には千葉大学がありながらこのような制度を作った理由はここら辺にありそうです。

●医師確保奨学金@岐阜県下呂市

岐阜県下呂市の医師確保奨学金の記事。

岐阜・下呂市が“医師卵”に奨学金制度 市町村で全国2例目

 医師不足の対策として岐阜県下呂市は、同市立の病院や診療所に勤務する意思を持つ全国各地の医学部生や研修医を対象に、奨学金制度を新設することを明らかにした。支給された年数と同じ期間を勤務すれば返済を免除する。市町村が医師確保のために奨学金を出すのは珍しいという。

 同市には、市立金山病院と3カ所の診療所があり、12人の医師が勤務しているが、全国的な医師不足の中、外科と小児科に3人の欠員がある。

 奨学金は月額20万円で、大学生、大学院生、研修医の期間に支給。新入生には入学金として30万円も用意する。1人当たり最大で8年間、計1950万円を貸与する。同市は基金として、2007年度当初予算案に3000万円を盛り込む。

 対象者の出身地や在住地は限定しないが、外科医と小児科医の希望者を優先する。文部科学省医学教育課によると、医師確保を目的に自治体が奨学金を出しているケースは県では23あるが、市町村では静岡県掛川市だけという。

http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20070125/mng_____sya_____015.shtml

月額20万円だと国公立大であれば生活費+授業料を差し引いてもおつりが来るのではないでしょうか?少し気になったのが「大学生、大学院生、研修医の期間に支給」とありますが、大学生(6年)、大学院生(4年)、研修医(初期だと2年)なので、どこを取って8年なのかはよくわかりませんが。

記事の最後に「文部科学省医学教育課によると、医師確保を目的に自治体が奨学金を出しているケースは県では23あるが、市町村では静岡県掛川市だけという。」とあり、掛川市民としては気になったので、市のウェブサイトを見てみましたがそれらしい記述が見当たらなかったのでメールで問い合わせてみたところ以下のような返事が来ました。

当市の修学資金貸付制度につきまして、当市、当院のホームページに同制度に関する情報が掲載されていないことに対して、疑問を持たれたとのことですが、実は、当市の修学資金貸付制度は、対象者が当院の関連大学の浜松医科大学医学部の5年生及び6年生のみに限定しているため、対象者へは大学事務局を通じて周知しています。従って、広く一般の方に対するPRを行う必要がないため、ホームページ等への掲載を行っておりません。

どうせ制度があるのならもっとPRすればいいのに・・・と思うんですけどね。具体的な条件がわからないのでなんともいえませんが、「制度があるなら浜医に行こう」と言う人がもしかしたら出てくるかもしれませんし、市民へのアピールにもなるかもしれませんし。もっとも、この奨学金制度自体に効果があるかどうかはわかりませんが。

2007年2月 2日

●転院時の話

へなちょこ医者の日記(当直日誌兼絶望日誌)を読んでちょっと思ったこと。とりあえず、ギラン・バレーって何ぞや?と言ったところですが、それはともかく。私の転院時のことを思い出しました。

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静岡の掛川市立病院から福岡の総合せき損センターまで人工呼吸器をつけたまま移動しました。受傷後約3ヵ月頃のことです。掛川市立病院から名古屋空港(セントレアはまだ無い)まではヘリで、名古屋空港から福岡空港まではチャーター機(セスナ?)で、福岡空港からせき損センターまではヘリでと今考えるとめちゃくちゃ大掛かりな移動でした。

当時私は車椅子に乗ることも出来ず、マーゲンチューブからの経管栄養、人工呼吸器も24時間依存(これは今もですが)でしたので、医師と看護師の付き添いでもちろん吸引の準備もしていきましたし、サチュレーションモニターもつけていました。

上のへなちょこ医者さんの日記でも疑問点として挙げられていますが、人工呼吸器を使っているような患者を転院させるに当たって痰の吸引の準備すらしていなかったのは準備不足だったのでは?と思います。千葉から福岡ですしね。

詳しいことはよくわかりませんがね。一応記事です。

転院判断誤り寝たきり 福岡地裁賠償命令 千葉の病院に8900万円

 千葉市の「みつわ台総合病院」から福岡市内の病院に搬送中、呼吸困難に陥り重度の身体障害を負ったのは病院に過失があるとして、寝たきりになった男性患者(34)と両親=福岡市城南区=が、総合病院を運営する医療法人に約2億500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が1日、福岡地裁であった。須田啓之裁判長は総合病院の過失を認め、約8900万円の支払いを命じた。

 判決によると、男性は1997年6月、手足の筋力が急速に低下するギラン・バレー症候群で入院。自発呼吸が困難で人工呼吸器を使っていた。同年8月下旬、医師の勧めで出身地の福岡への転院を決定。航空機と救急車で搬送中、たんなどがのどに詰まって心停止となり、障害を負った。

 判決で須田裁判長は、入院当時、男性の脈拍や体温が不安定だったことや、全身まひのため呼吸の苦しさなどを意思表示できなかった状態を重視。「容体が安定していたとはいえず、搬送を決定した総合病院の判断に過失がある」と述べた。

 判決後、男性の両親は「息子に報告したい。二度と同じ事故を起こさないでほしい」と話した。医療法人は「判決文が届いておらず、コメントできない」としている。

=2007/02/02付 西日本新聞朝刊=
2007年02月02日00時06分
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/20070202/20070202_003.shtml

2007年2月 1日

●ナースキャップ廃止

久しぶりに日記らしい日記を

私の入院している病院は今日でナースキャップが廃止されました。前々から本人たちは邪魔だと言っていましたが、ついに廃止と言うことになりました。確かにつけなければいけない理由は特に思いつきませんし、むしろ邪魔、不潔、めんどくさい・・・とよくない点はたくさん出てきます。今まで廃止されなかったのがむしろ不思議なくらいです。

しかし、個人的な意見ではありますが少し残念ではあります。少しではないかもしれませんが。ナースキャップと言えば看護婦(あえて看護師とは書きません)のシンボルですし、私はよくわかりませんが、ナースキャップにあこがれて看護婦を目指したって人もいるはずです。そもそもナースキャップの起源というのは

ナースキャップの起源にはいくつもの説があるが、ひとつに19世紀後半までのヨーロッパではほとんどの病院が教会に属しており、修道女(シスター)や篤志家が看護の仕事を行い、頭には修道女のシンボルというべきベールをかぶといった節がある。http://www10.showa-u.ac.jp/~festival/ibukikikaku.html
だそうで、やはりそれなりの歴史はありそうです。こういう文化だとか習慣が合理化の名の下に廃止されると言うのは少し残念な気もします。これも時代の流れと言えば仕方ないのでしょうか。