県は深刻化する医師不足の緊急措置として、2月から3月末まで県立こども病院の小児科医師を週3回交代で袋井市民病院に派遣する。石川嘉延知事が22日の定例会見で明らかにした。
県立こども病院で医師2人の採用が決まったことを受け、地域医療を確保する観点から緊急を要する袋井市民病院への派遣を決めたという。県立総合病院でも医師5人を募集中で、同病院で派遣体制が整えば、掛川市立総合病院への派遣も検討している。
県条例に定める職務専念の免除と地方公務員法の兼業許可による初の取り組みで、医師は派遣先の身分となり、派遣先から報酬を受ける。
県内では特に中東遠地域などを中心に病院勤務医の不足が深刻化している。県は本年度、研修医の受け入れ事業や県内の病院による都内での合同就職説明会、医師の再就業支援事業などの医師確保対策を積極的に進めているが、成果が上がっていないのが現状。
石川知事は「市町立病院や日赤、済生会など公的病院で特に産科を中心に医師不足が続いている。今回の小児科以外の診療科目でも順次調整がつき次第派遣し、当面の医師不足の解消に努めていきたい」と強調した。
http://www.shizuokaonline.com/local_social/20070123000000000014.htm
応急処置でしょうね。そこまで事は深刻なようです。・・・なんて傍観するわけにも行きませんね。県内で袋井市民病院が一番深刻だったということでしょう。近いうちに掛川市立病院と併合といい話もある、ということは前にも書きました。
記事中でちょっと気になったのですが
県立こども病院で医師2人の採用が決まったことを受け、地域医療を確保する観点から緊急を要する袋井市民病院への派遣を決めたという。県立総合病院でも医師5人を募集中で、同病院で派遣体制が整えば、掛川市立総合病院への派遣も検討している。
県立こども病院ですら2人しか採用が決まらなかったのに、県立総合病院で5人確保することは可能なのでしょうか?掛川市立病院はその次のようですが・・・。
今回の小児科以外の診療科目でも順次調整がつき次第派遣し
どこから派遣するのでしょうか?県内にそんな余力のある病院があるのでしょうかね?
今日から毎日新聞で「医療クライシス」なる連載が始まったようです。素直に「危機」と書けよ、と。それはともかく『奈良事件』なんて事があったのに、「毎日新聞よ、お前が言うな」的な感は否めませんが一応紹介。
医療クライシス:東京・大阪の公立病院、半数が診療縮小--毎日新聞調査
<2面で連載スタート>
◇常勤医285人不足
医師不足などのため、東京都と大阪府内の計54の公立病院のうち、公立忠岡病院(大阪府忠岡町、83床)が3月末に閉院するほか、半数近い26病院で計46診療科が診療の休止・縮小に追い込まれていることが、毎日新聞の調査で分かった。常勤医で定員を満たせない病院は45病院あり、不足する常勤医は計285人に上る。非常勤医で穴埋めできていない病院もあり、医師不足によって病院の診療に支障が出る「医療崩壊」が、地方だけでなく2大都市にも広がり始めている実情が浮かんだ。
調査は都府立、公立、市立病院(大阪市立大病院を除く)と、都保健医療公社が運営する病院を対象に実施。00年以降の診療休止・縮小の状況や、今月1日現在で常勤医が定員に満たない科の数などを尋ねた。
閉院を決めた忠岡病院は、03年に12人いた医師が05年には4分の1に激減。昨年4月に皮膚科と泌尿器科、今月は脳神経外科を休止し、病院自体も存続できなくなった。
診療科別に見ると、休止・縮小したのは、産科・産婦人科が計10病院で最多。次いで小児科6、耳鼻咽喉(いんこう)科が5病院だった。
不足している常勤医数は、内科が18病院で計47人と最も多く、麻酔科15病院29人、産科・産婦人科が16病院27人、小児科が11病院22人と続いた。不足の理由は、▽04年度導入の新医師臨床研修制度をきっかけに、大学病院が系列病院から医師を引き揚げた▽勤務がきつく、リスクを伴うことが多い診療科が敬遠されている--など。
診療への影響は、「救急患者の受け入れ制限」(都立大塚病院・豊島区)など、救急医療への影響を挙げる病院が目立つ。住吉市民病院(大阪市)のように、産科医不足による分べん数の制限を挙げる病院も多かった。
打開策については、都立墨東病院(墨田区)などは「給与水準引き上げ」と回答、府立急性期・総合医療センター(大阪市)が「出産・子育てから復職支援など女性が働きやすい環境作り」を挙げるなど、労働環境の改善を挙げる病院が目立つ。「医療訴訟に対する裁定機関や公的保険制度の確保」や、「地域の病院と連携し、医師の診療応援など交流を図る」などの意見もあった。【まとめ・五味香織、河内敏康】
◇「高額医療費」実は平均以下--OECDデータ
地方だけでなく、大都市にも「医療崩壊」が広がり始めた背景には、日本の低医療費政策がある。医療費を巡る政策論議では長年、いかに抑制するかがメーンテーマとなってきたが、経済協力開発機構(OECD)の国際比較データからは、正反対の実情が浮かぶ。
医療費を対国内総生産(GDP)比でみると、日本は1960年代半ばの一時期にOECD加盟国平均に達していた以外は、一貫して平均を下回っている。03年もGDP比8%で、平均の8・8%に届かない。
特に、先進7カ国(G7)の水準には程遠く、差が広がるばかり。03年のG7平均は10・1%で、日本はG7平均に比べて医療費の支出が2割も少なく、先進国並みに医療にお金をかけているとは言えないのが現実だ。
人口1000人あたりの診療医師数(診療に従事する医師の数)は、一度もOECD平均を上回ったことがない。差は年々拡大し、04年には平均3・1人に対し日本は2人。OECD平均に達するには、医師を1・5倍に増やす必要がある。
毎日新聞 2007年1月23日 東京朝刊
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/medical/news/20070123ddm001100103000c.html
都市部でもこんな状況ですから地方に関しては何をかいわんや。です。記事中にもありますが、とりあえず医療費削減へ向かっている政策を見直させねばいかんでしょう。毎日はせめてもの罪償いとしてこれを主張すべきです。
ついでですが今日の毎日の社説ですが・・・お前が(以下略)
社説:ねつ造番組 報道機関を名乗る資格がない
フジテレビ系列で放映されたバラエティー番組「発掘!あるある大事典2」でデータやコメントのねつ造が発覚した。納豆を食べるとダイエットできるという番組内容はまったくのでたらめだった。
制作した関西テレビ(大阪市北区)は20日に緊急会見した。やせたことを示す写真は別人で、米国の大学教授の発言について日本語訳をねつ造したり、正常値になったとされる中性脂肪値は実際には計測すらしていなかった。
今月7日の番組放送の直後から、納豆が急に売れ出し、価格も急上昇して、店頭から姿を消したところも多かった。ところが、ダイエット効果についてはまったくのねつ造で、増産体制をとった業者は一転して過剰在庫を抱えるなど、混乱が広がっている。
テレビ番組をめぐっては、やらせや視聴率操作などの問題がこれまでも続いたが、ねつ造が引き起こした社会的な影響の大きさという意味から、今回の番組は特に悪質だ。新聞でいうなら社長が辞任に追い込まれた朝日新聞の「サンゴ事件」に匹敵する。
にもかかわらず関西テレビは自覚に乏しい。緊急会見では当初「事実と異なる部分があった」と繰り返すだけで、記者から追及され、会見の最後でようやくねつ造を認める始末だった。
会見では社長が「報道機関でもある放送局として」とも語っていた。しかし、こんな状態で報道機関と言えるのだろうか。関西テレビだけでなく、フジテレビ系列局全体としてとらえるべき問題だ。ライブドアとの攻防の際、フジテレビは「公共性」を強調していたが、公共性を語る資格があるのかとも言いたい。
番組制作会社に丸投げし、テレビ局はノーチェック状態だったことも明らかになった。特定の食品を大量に食べればやせられるなどという話は常識的におかしく、それに気付いて当然だった。
視聴率を稼ぐと同時に制作費を削り利益を増やそうとするテレビ局の経営姿勢が、ねつ造ややらせを生んでいると指摘されている。ねつ造は番組制作会社のスタッフの行為だが、少ない予算で酷使し、視聴率の獲得まで強いているテレビ局の責任はさらに重大だ。
テレビ局は、コンテンツ産業の頂点に君臨してきた。しかし、コンテンツ産業の大部分がテレビ局の下請けという構図のままでいいのだろうか。お手軽なバラエティー番組ばかりが量産され、ねつ造ややらせまで行わざるを得ない状態でまともなクリエーターが育つとは思えない。
テレビ放送のデジタル化が、巨額の公費をつぎ込んで行われているが、テレビ局と番組制作会社の関係がこのままでは、今回と同じことが繰り返されかねない。
放送と通信の融合はさまざまな観点から論じられ、コンテンツ産業の育成も大きなテーマだ。そのためには、番組制作をテレビ局の下請けから解放するという視点と、そのための方策も必要なのではないだろうか。
毎日新聞 2007年1月23日 0時55分
http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/shasetsu/news/20070123k0000m070155000c.html