●患者ハラスメント
最近『ドクハラ』という言葉をよく耳にするようになった。ドクハラとはドクターハラスメント、つまり医者による患者への嫌がらせの事である。
具体的には診察と称して不必要な触診を行ったり、十分な説明をしなかったり、嫌味を言ったり・・・だそうである。悪質な場合、患者がPTSD(心的外傷後ストレス障害)になったりすることもあるらしい。
故意で悪質なケースは当然罰せられなければいけないとは思うが、テレビ番組なんかで取り上げられているのを見ると患者のほうも多少過剰反応しているように感じる。
ドクハラと言われるのを恐れて本来必要な医療行為を行う事をためらってしまう医師も出てくるかもしれない。これは結局患者にとって不利益になる。マスコミの医師たたきもほどほどにすべきだと思う。
今回書きたいのは『ドクハラ』についてではない。むしろその逆で、『患者ハラスメント』つまり、患者による医療従事者への嫌がらせである。先にあげたドクハラの告発も度を過ぎれば嫌がらせにもなりかねない。中でも女性医療従事者に対する患者の嫌がらせというのは表面化していないだけで相当あるんじゃないかと思っている。女性医療従事者と書いたが、多くの場合女性看護師のことである。
看護師という仕事はその性格上、自分の体を患者に密着させて行う事が多いように思う。清拭、着替え、入浴介助、体位交換…と挙げていけばキリがない。しかもそれらを嫌な顔をせず笑顔で行うのである。もちろん「仕事だから」と割り切っているのだろうが、職場で女性社員の肩をたたいただけでセクハラといわれる時代である。本当は辛いのではないか、といらぬ心配をしてしまう。
その上患者の中にはスケベ心を持った人もいるだろう。入院生活というとてもストイックな環境下でナース服を着た若い(例外もいる…むしろ例外の方が…以下略)女性に笑顔で接せられたらどこかその手のお店に来てしまったかのような感覚に陥ってしまう…のもわからないでもない。…が、ここは病院である。勘違いしてはいけない。
看護師さんたちの話を聞いていると、男性患者にお尻や胸を触られただとか、下品な質問をされただとか同じことを路上で行えば即犯罪になりそうなことが日常的に起きているらしい。しかし、そういうことを問題にしないという暗黙の了解でもあるのか、それともいちいち問題にしていたらキリがないので諦めているのか知らないが、病院内ではほとんど問題にならない。いわゆる治外法権である。
しかも現場の状況はなかなか上層部に伝わらないのが現状である。悪質なものに対しては診療を拒否できるようなシステム作りが必要になってくると思う。
医療はサービス業とは言われているが、患者と医療従事者の関係はどちらが偉いとか言うのではなく対等であるべきだと思う。

