脊髄損傷とは何か

まだ作りかけですが、とりあえず公開します。旧ver.はこちら

脊髄損傷とは脊髄を損傷する事です。と、言ったところで説明になってませんね。私もイチ素人なんで詳しく説明する能力も知識もないですが分かる限り説明したいと思います。間違ってても責任取りません。あしからず。

脊髄について

脊髄を損傷・・・と、言ったところで脊髄って何ぞや?という方も多いでしょうからまずはその説明から。

脊髄というのは背骨の中央を通っている神経の束のことです。(英語だとSpinal Cordです。よって、脊髄損傷はSpinal Cord Injuryとなります。SCIと略したりもします。)

脳からの命令を体に伝えたり、体の情報(痛覚や触覚など)を脳に伝えたりする役割があります。脊髄自体は非常にやわらかいモノなので、背骨(脊椎)によって守られているのですが、外部からの強い衝撃などで背骨が折れたり脱臼したりすると中の脊髄もダメージを受けます。(無事な場合もあるらしいですが。)腫瘍などが原因となる場合もあります。

背骨自体は骨ですので元の位置に戻して固定してほっとけば元に戻ります。ところが脊髄は中枢神経という神経で(手指とかの神経は抹消神経・・・たぶん)再生しないといわれています。(最近の研究だとしないわけでもないらしいですが。)よって、脊髄損傷の治療法は無いといわれてきました。今後の研究に期待です。

脊髄損傷の種類

脊髄は脳の付け根(?)から尻尾の部分まで伸びています。そしてそれぞれの場所に名前が付いています。上から順に首の部分を頚髄、胸(背中)の部分を胸髄、腰の部分を腰髄と仙髄(その下に尾髄がある)といいます。もうちょっと言うとそれぞれの部分は髄節という節に分ける事ができて、頚髄は8つ、胸髄は12つ、腰髄は5つ、仙髄は5つある。ごちゃごちゃしてきたので下に表でまとめてみました。

場所名前英語名髄節の数略称
頚(頸)髄Cervical8C1〜C8
胸(背中)胸髄Thoracic12T(Th)1〜T(Th)12
腰髄Lumbar5L1〜L5
仙髄Sacral(Sacrum)6S1〜S5

少しはわかりやすくなったと思います。この呼び方を使って、頚髄の部分を損傷した場合を頚髄損傷(略して頚損)、同じく胸髄損傷(胸損)、腰髄損傷(腰損)、仙髄損傷(仙損・・・とはあまり聞いた事ないですが)と言います。一般的には頚損以外をまとめて脊損という傾向があるようです。

脊髄損傷のレベル

脊髄の損傷場所によって障害の重さは変わってきます。基本的には損傷部位より下の部分に障害が出ます。障害は損傷の程度によって変わってきます。神経が完全に切れてしまえば完全に麻痺してしまいますが、部分的に傷ついた程度の場合、脳からの命令が完全に伝わらず、動きにくいなどどいった不完全麻痺となります。麻痺の程度は損傷の程度によって違います。

脊髄損傷の程度(レベル)をあらわすには損傷部位を用います。上の表に書いた略称が使われる事が多いです。例えば第3頚髄損傷の場合C3、第5胸髄損傷の場合はT(Th)5といった具合です。完全損傷と不完全損傷でも麻痺のレベルは異なるので区別が必要です。機能分類にはもう少し細かい分類もあるようだが、詳しい事は知らないので省略。知りたければ→google

それと多少厄介なのが、欧米と日本では損傷位置表現の意味が異なることで、例えば第1腰髄損傷の場合、日本では第1腰髄が損傷していることを、欧米では第1腰髄まで健全である(損傷部位は下になる)ことを表します。なぜこうなったのかは知りません。資料によって違うことが書いてあったので削除。正直よくわかりません。

損傷部位と麻痺の状態

脊髄を損傷すると、損傷部位以下に運動・感覚麻痺、直腸膀胱麻痺が起きます。運動麻痺というのは脳で「動かせ!!」と命令を送ってもその情報が筋肉に伝わらないために起こります。感覚麻痺は逆に体からの情報が脳に伝わらないために起こります。完全麻痺であれば本来は全く何も感じないはずですが、受傷部位に痛みが残ったり、実際に伸びている足が曲がっているように感じたり、痺れや寒気などの異常知覚を感じる事があります。直腸膀胱麻痺によって便秘、便失禁、排尿困難、尿失禁などの症状が出ます。

損傷部位と麻痺の関係については全部説明しているとキリが無いので主なところだけ紹介します。例えば呼吸に使う横隔膜を使っての呼吸はC3-C5から可能になるので、これより高位を損傷した場合人工呼吸器が必要になる場合があります。手指を含めた上肢が自由に使えるのはT(Th)1以下あたりから、上部体幹の保持(体をまっすぐに保つ事)はT(Th)6あたりから、膝の進展はL4あたりから可能となります。もっと詳しく知りたい方は脊髄損傷マガジンというサイトに詳しく載っているのでこちらをご覧ください。

具体的症状など

上でもいくつか紹介しましたが、頚髄を損傷する事によって体のいろいろなところに不具合が出てきます。主には運動・感覚機能の麻痺が原因ですが、同時に自律神経系も損なわれるんでそれによる不具合も出てきます。下で具体的に説明してみます。

痙性(けいせい)

受傷後、時間がたって慢性期に入ると動かせないはずの筋肉が、触ったり移動したりしたときに、自分の意志とは関係なく動いたり、痙攣を起こすことがあります。これを痙性(けいせい)といいます。慣れない人が見ると驚かれます。車椅子の人が無意味に超高速貧乏ゆすりをしていたらまず痙性と思っていいと思います。痙性が強いとベッドの上で意思に反して寝返りをうってしまい落下する危険があったり、胸郭が締め付けられる事で息苦しさを感じたりする事があります。痙性の原因は寒さや外的刺激や膀胱に尿がたまったり、また精神的ストレスなども原因になったりします。

基本的に痙性はそのままでも問題無い事が多いですが、強すぎて悪影響が出る場合は弱める必要があります。ここで大事なのは本当に抑える必要のある痙性かどうか、という事です。痙性によって筋肉が多少なりともつく事がありますし、例えば不全対麻痺患者で膝の伸展力を痙性に頼って立っている場合に痙性を弱めると立てなくなってしまう、などといった事があります。

ひとつは上にあげた痙性の原因のいやな刺激(侵害刺激というらしいです)を取り除く事。例えば傷があったら治したり、膀胱に結石があったら除去したり、という事です。ストレスを取り除き、リラックスする事も有効です。投薬という方法もあるようです。筋弛緩効果のある薬を用いるようですが、詳しい事はよくわからないので丸投げします。間違った事書くのもなんなので。→google

他に局所的に痙性を抑える方法としては筋内神経ブロックという方法があります。私はやった事はないので受け売りの知識で恐縮ですが、これは『電気刺激のできる注射針で、運動神経が筋内に入った部位を探り、フェノールやアルコールを注入する手技である。』だそうです。効果は数ヶ月のようです。リハビリで動かす事で痙性が弱くなることもあるようです。

他にも「髄腔内バクロフェン療法」と言う方法があります。上記の筋弛緩剤を内服する方法は脳や脊髄に届きにくく(Blood Brain Barrierのせいだそうです)、あまり効果がありませんでした。この方法は腹部に埋め込んだポンプから、微量の筋弛緩剤を脊髄の周囲に直接、持続的に送り込む方法で、少ない投与量で効果が高く、副作用も少ないらしい。欧米では普及している方法だが、特殊ポンプが172万円もするため日本では浸透しなかったが、2006年4月に健康保険適用が決まった。読売新聞の記事を一部引用。

排泄機能障害

シモの話に付き食事中の方がいましたら(いないだろうけど)ごめんなさい。でもとても大事な事です。避けては通れません。

直腸膀胱麻痺と、上で触れましたがようは排泄に使う筋肉が麻痺しているため排泄を通常通り行う事ができません。排便に関しては週に2,3回排便日を決めて下剤と座薬で排便を促します。摘便というのは固まった便を指で掻きだすことで、たとえば普通に入院してても便秘だと看護師に摘便されると思います。レベルによっては自分でも出来ます。排尿に関しては、カテーテルを尿道から膀胱に入れて排尿する導尿という方法や、経尿道的括約筋切開術を行い、集尿器をつける方法、下腹部から膀胱まで穴を開け、カテーテルを入れて排尿する膀胱婁(ろう)を造設する方法などがあります。カテーテルを介して雑菌が入り、尿路感染症を起こしやすいので注意が必要です。


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