パソコン操作

四肢麻痺のパソコン操作

四肢麻痺になってからパソコンを操作してメールを送ったり、こうやってウェブサイトを作ったりしていると実際に操作しているところを見たことがない人は当然のごとく「どうやって操作してるの?」という疑問を持つと思います。その操作方法についてここで紹介したいと思います。

もし同じような境遇の方がいたら参考にどうぞ。

操作方法

操作風景

さて、四肢麻痺ですので普通の人がするようにマウスを手で動かす事はできません。当然キーボードを指でタイプすることも出来ません。体の部分で自由に動かせる場所は首から上だけです。そこでどこを使うか、という問題になってきます。候補としてはあご、唇、舌、眼球等があるかと思います。どこを使うかは自由だとは思いますがとりあえずここでは私の方法を紹介します。

使用する機械は「NaturalPoint SmartNAV」というものです。アメリカのNaturalPointという会社の製品です。詳しくは同社のウェブサイトを見てください。

sheel

使用方法はまず、自分の体の好きな部分に光を反射する素材のシールを貼ります。貼る場所は額でもメガネでも唇でもあごでも上下左右に数ミリ動かせる場所ならどこでもかまいません。私の場合は下唇のちょっと下あたり(画像参照 右下の青いものは人工呼吸器の接続部分)に貼っています。ちなみにシールは購入時についてきますが、次第に粘着力が落ちてくるので100均とかで売っているシート状の反射シールを穴あけパンチで打ち抜いたやつでも十分代用可能です。コストは1回当たり1円以下です。

この機械は赤外線(多分)を出してシールに反射した赤外線の動きを拾うことでマウスを操作します。口元の非常に微妙な動きも拾うことが出来ます。クリック、ドラッグ等はどうするのかというと、付属のDwellClickerというソフトを使います。dwellclicker一定時間(任意に設定可能)動きを止める事でクリックする事ができます。ドラッグ、ダブルクリック、右クリックも可能です。これが出来れば大抵の操作には困らないでしょう。欲を言えば右のドラッグも欲しいところですが・・・。(ファイルのコピペとかするときに便利ですが・・・欲は言いません。)

screen keyboard

文字入力はというとネット上を探せば色々出てきますが、私はWindowsXP付属のスクリーンキーボード([スタート]-[すべてのプログラム]-[アクセサリ]-[ユーザー補助]にあります。またはファイル名を指定して実行[田彡+R]で[osk]と入力。)を使っています。色々試してみましたが、私には結局これが一番使いやすいです。好みはあるでしょうが。入力スピードは慣れてくればかなり早く入力できます。今試してみましたが60[key/min]はいけます。指には及びませんが。

フォルダオプション

もうひとつ、エクスプローラーでフォルダを開いたり、ファイルを実行したりするのにいちいちDwellClickerからダブルクリックを選択するのはめんどくさいので、シングルクリックで開けるように設定しておきます。

設定の方法は[コントロールパネル]-[フォルダ オプション]-[全般]-[クリック方法]-[ポイントして選択し、シングルクリックで開く](図参照)を選択します。その下の選択はお好みで選択してください。どちらでもいいと思います。

SmartNAV入手方法

NaturalPoint社のウェブサイトによると、[AT package],[ET package],[Standard package]の3種類があるらしく目的によって選ぶようです。下に簡単にまとめてみました。(1ドル=120円で計算)

AT package

完全にハンズフリーでマウス操作が可能。ALSや四肢麻痺の脊髄損傷者、筋ジストロフィーなど手が使えない患者向きです。$399(47,880円)

ET package

通常のマウス操作が困難な人向き。クリックは専用のスイッチ(Y breakout cable)を使ったり、キーボード上の任意のキーで代用可能。手根管症候群(Alleviate Carpal Tunnel Syndrome)や反復運動過多損傷(Repetitive Strain Injury)その他外相などでマウス操作が困難な人向き。$299(35,880円)

Standard package

単なるハンズフリーのマウス。上記の症状の予防の理想。単にマウスへ手を伸ばす手間を省くため、との記述もある。$199(23,880円)

私が使ってるのは[AT package]です。国内業者にも扱っているところがあるようです。下にリンク貼っときます。

購入の際には助成があるようです。詳しくはこちらをどうぞ。障害者情報バリアフリー化支援事業というそうです。半額が補助されるようです。詳しくは都道府県、政令市へ。

他の操作方法との比較

上にも書きましたが、他にもいろいろなパソコンの操作方法があります。簡単に比較してみます。

音声式

声によって文字入力する方法で、主なソフトとしてはIBMのViaVoiceやアスキーソリューションのドラゴンスピーチがあります。使った事がないので何とも言えませんが、文章入力のスピードだけで比較すると音声式が優れていると思います。最近のものは認識精度も高いようですし。ただ、文章作成する以外の作業の自由度でいえばSmartNAVに軍配が上がりそうです。そもそも、この方法は発声が出来る事が前提ですので、私のような気管切開している者にとっては選択肢になり得ません。(スピーキングバルブを使用する事によって発声が可能となる場合もある。)もし、発声が可能であれば併用してみるのもいいかもしれません。

ViaVoiceのPro版はWindowsの音声操作も出来るそうです。ドラゴンスピーチに関してはウェブサイトを見る限りそのような機能はないようです。自治体によってはソフトの購入に助成があるようです。

舌式

字のごとく、舌でパッドをなぞり、マウスを操作する方法である。セッティングが面倒そうで、衛生的にもどうか、とは思う。ただ、量産品を流用できるという点では有利かもしれない。これも使った事がないので、何ともいえない。

視線感知式

以前、テレビで取り上げられているのを見たことがあるが、実用段階にあるのかどうかは不明。ただ、目への悪影響や操作精度でまだまだ問題がありそうだ。

スティック式

口で棒などをくわえてキーボードを直接たたく方法。最も簡単でかつ安価な方法と思われる。割り箸なんかでもどうにかなるかも。ただ、長時間キーボードをスタンドなどで立ててやると入力しやすいと思う。ただし、首がすわっていて、ある程度首を左右に動かせるようでないと厳しいと思う。

考える

考えるだけでパソコンを操作できる。と言う技術も開発されているようだ。脳の運動を司る部位に小さなシリコンのチップと100個の電極を埋めこみ、ここから送信された細胞活動の記録をコンピューターが読み取り、指令に転換するらしい。パソコンのカーソル操作や、電子メールの入力もできると言う。

Cyberkineticsによると、パソコン操作のみならず、テレビや電気などの環境設備の操作、電動車椅子の操作や、最終的には手足を動かす事を目標としているらしいです。電気的に脳の命令を伝えるのでしょうか。次世代製品にはbreathing(呼吸)、bladdder( 膀胱)、bowel(排便)の機能も制御できると書いてあります。呼吸器、膀胱、直腸に麻痺がある脊髄損傷の患者には朗報となるかもしれません。

機器については保健福祉広報協会のページから検索可能。

オンスクリーンキーボードあれこれ

MSスクリーンキーボード

Windows付属のソフトです。私にとってなんだかんだで一番使いやすいです。入力モードに「クリックして選択する」、「自動的に選択する」があって、これも好みでしょうが、私は後者を使ってます。画像は上のほうを見てください。

IMEソフトキーボード
IMEソフトキーボード

MS IMEの機能の一部です。ちょっと小さくて使いにくいです。言語バーのIMEパッドってところをクリックすると起動します(はず)。手書き入力機能とかもあいます。たまに読み方がわからない漢字に出会ったときに使う事はありますが。

Visual Keyboard

いろいろカスタマイズできるソフトです。あんまり使ってないので分かりません。

Pete

予測変換機能がついています。ただ画面の半分を占めてしまうのがネックです。


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