センター試験

センター試験とは

大学入学者の選抜に関し、志望者の高等学校の段階における基礎的な学習の達成の程度を判定することを主たる目的として大学が共同して実施する試験。各大学ごとの学力検査に先立って行う。それまでの共通一次テストに代わるものとして1990年(平成2)から実施。(三省堂国語辞典より)

知ってのとおり、大学進学を目指す人の多くが受ける試験である。ここでは私が平成18年度のセンター試験に挑戦した時の記録です。

センター試験までの流れ

受験までの流れ

特別な措置が必要なため、一般の受験生とは多少異なります。一般の受験生にとっても、意外と出願時期が早いので注意が必要です。(もっとも、在学中の人の場合は問題ないでしょうけど・・・。)左の図は平成18年度のものですが、参考にどうぞ。(クリックで拡大します。)

具体的に動き始めないといけないのは9月から10月です。

受験案内別冊入手〜出願

まず、最初にしなければいけない事は『受験案内別冊』を入手します。一般向けの『受験案内』とは違うので注意しましょう。これには志願票、検定料などの払込書、個人直接出願者用封筒などが添付されています。出願の方法なども記載されています。普通は高校を通して入手できますが、そうでない場合は予備校や大学の窓口などでも入手できます。無料です。

くどいようですが、出願期限に遅れないように注意しましょう。私は10/4に動き始めてぎりぎりでした。特に特別措置が必要な人の場合、医師の診断書等提出書類が多くなるので余裕を持って行動しましょう。

特別措置について

特別措置が必要な障害の種類は以下のように分けられています。

ここでは私の場合を中心に紹介していきますので、他の場合の対応を知りたい方は大学入試センターのウェブサイトに平成18年度の受験案内別冊の内容が公開されているのでこれを参考にしてください。

肢体不自由といってもそれぞれで、下肢麻痺で上肢は自由な人の場合、会場を1階にする、エレベーターを使える部屋にする等の措置があればあとは一般の受験生と同じように受験が可能だと思いますが、私のように上肢が使えず、かつ発声ができない場合、さらに措置が必要です。受験案内別冊には『体幹または上肢の機能障害が著しい者で、チェックによる解答が不可能な者。』という分類で措置が決められています。下に簡単にまとめときます。

すべての科目において措置する事項リスニングテスト(英語のみ)において措置する事項
解答方法試験時間試験室試験室での措置又は用意されるもの左記以外で特別に措置する事項(例)試験時間使用機器等
代筆による解答
注1
1.3倍に延長
(科目により1.5倍に延長 注2
別室代筆者
  • 介助者の配置 注3
  • 試験室をl階に設定
  • 洋式トイレに近い試験室に指定
  • 特製机の持参使用又は試験場側での準備
  • 車椅子の持参使用
  • 枚の持参使用
  • 試験室入り口までの付添者の同伴
  • 試験場への乗用車での入構
どちらか一方を選択1.3倍に延長
(連続方式)
CDプレイヤー
(監督者が操作)
ヘッドホン 注4
延長なし1.3倍に延長
(音止め方式)
注1

代筆による解答とは、受験者が問題番号と解答を口頭で伝え、代葺者が、受験者に代わって解答用紙に記入する解答方法です。

また、代筆による解答に該当する者が、解答手段として機器(音声出力による意思伝達装置、パソコン)の持参使用を希望する場合は、審査の上、使用方法を制限して許可することがあります。

なお、受験科目は、身体障害者等受験特別措置申請書(この冊子に折り込んであるもの)で申し出る必要があります。出願後は、受験科目の変更はできないので注意してください。

注2

代筆による解答で試験時間延長(1.3倍)に該当する者は、意思伝達に著しく時間を要すると認められる者で、数学(工業数理基礎、簿記・会計、情報関係基礎を含む)に限り試験時間が1.5倍となります。

注3

介助者とは、養護学校の教諭等で、試験室において受験者の介助を行う者のことです。

注4

出願後は、延長方式の変更はできないので注意してください。

注5

ヘッドホンを使用せず、イヤホンの使用やスピーカーから直接音声を聞く方式を希望する場合は、出願時に申請する必要があります。

なお、スピーカーから正接音声を聞く場合はヘッドホンやイヤホンを使用する場合に比べ、外部の音が聞こえやすくなります。

しかし、これはあくまでもたたき台であって、これを基に各個人の状態に合わせた『身体障害者等受験特別措置決定通知書』と『受験上の注意(身体障害者等受験者用)』という書類が12月上旬〜中旬に届きますのでこれに詳しい事が書いてあります。

私の受験時のものを置いておくので参考にどうぞ。(名前等は伏せててあります。)pdfファイルをご覧になるにはAdobe Readerが必要です。まだお持ちでない方はこちらからダウンロードしてください。

解答方法

解答方法については注1にも書かれていますが、私の場合は口頭で意思を伝える事ができないので機器、パソコンを使う許可が出ました。パソコンの使い方についてはパソコン操作のページを参照して下さい。

パソコンの使用に関しては代筆者に問題番号と回答番号が見えればいいので、入力に使うソフトキーボードの分を合わせても、パソコンの画面は一部分だけ見える状態にして残りの部分は問題で覆ってしまいます。ただし、数学、物理、化学に関しては計算過程をメモするためのスペースもあけておきます。メモには数式を記述できるソフトのInfty Editorを使いました。もちろん演算機能はありません。このソフトも事前に使用の許可を得ました。

スタンドにぶら下げられた問題を見て、解いたらメモ帳に解答を打ち出します。打ち出す形式は『1-3』のように『問題番号-解答』と、決められています。あらかじめExcelなどで連番を作っておくと便利だと思います。ページめくりは会場大学の職員がやってくれました。「次」「前」等の合図は読唇でも十分通じると思います。なお、監督者が解答の控えをとってくれているのであとで自己採点できます。

試験時間

数学は1.5倍の90分、他の教科は1.3倍の時間延長が認められます。

延長した試験時間一般の試験時間
第一日目公民 9:30〜10:50( 80分) 9:30〜10:30( 60分)
地理歴史11:20〜12:40( 80分)11:15〜12:15( 60分)
国語13:40〜15:25(105分)13:30〜14:50( 80分)
英語筆記15:55〜17:40(105分)15:35〜16:55( 80分)
リスニング
(英語のみ)
18:10〜19:20( 70分)17:40〜18:40( 60分)
第二日目理科1 9:30〜10:50( 80分) 9:30〜10:30( 60分)
数学111:20〜12:50( 90分)11:15〜12:15( 60分)
数学213:50〜15:20( 90分)13:30〜14:30( 60分)
理科215:50〜17:10( 80分)15:15〜16:15( 60分)
理科317:40〜19:00( 80分)17:00〜18:00( 60分)

試験室

試験室は別室が確保されました。私の受験会場の近畿大学産業理工学部では、部屋が2階でしたが、エレベーターがあったため、問題ありませんでした。ただ、エレベーターが狭く、ぎりぎりでした。会場によって違うでしょうが、会場の下見は一度行っておいたほうがいいかと思います。

会場は小会議室のような感じで、一人では十分な広さでした。試験中は私と代筆者、試験監督、タイムキーパー、ページめくり、介助者が部屋の中にいることになります。私と代筆者、ページめくり以外の人は正直かなり暇そうでした。

持っていったもの

試験に使うもの

パソコン一式

解答を打ち出したり、途中計算を書いたりするのにに使います。あらぬ疑いを掛けられないようにデスクトップは整理して、無駄な駐留ソフトも切っておきました。

読書スタンド(改)

一般的に読書スタンドを改造したもので、問題用紙を吊り下げるのに使いました。普段も新聞なんかを読むのにも使っています。

医療用具

色々あるので主なものだけ

人工呼吸器(LP10)

一番大事なもの。念のため外部バッテリー(DC12V)の予備も持参。詳しい説明は別のページで。

ポータブル吸引機

痰の吸引機のポータブル可能なもの。陰圧の配管設備が無くても吸引が出来る。充電式。

アンビュー
手動式呼吸器。呼吸器にトラブルが起きてもとりあえずこれさえあればOK。
吸引道具一式

カテーテル、蒸留水、マスキン水、 鑷子 せっし (=ピンセット)etc...

パルスオキシメーター
経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)と脈拍数を測定する機器。

その他酸素ボンベなど緊急時に必要なものは準備していたと思います。結局使う事はありませんでしたが、備えあれば憂いなし、という事で。

その他

食事とかその他準備物は普通の受験生と同じでしょう。

付添者

今思えばかなり大人数でした。もし、病院の協力がなければこれだけ集めるのは難しかったでしょう。

感想・反省・要望など

結果についてはとりあえず置いておいて、今回の受験についての感想、反省点、要望など。

テスト当日について

体力的には結構しんどいものがありました。時間延長のため一般の受験生よりも長い時間がかかった事はもちろん、慣れない場所だったため精神的な負担も結構ありました。精神的な面では一般の受験生でもテストのプレッシャーは相当感じるはずなのでえらそうな事はいえませんが・・・。

こればっかりは仕方ないのですが、朝が早いのも結構辛かった。上のタイムテーブルを見るとわかると思いますが、教科間の休憩時間が結構とられています。僕にとっては体力的な面や褥創予防の面で、車椅子に乗っている時間を少しでも短い方がいいので、休憩時間については柔軟に対応出来ればいいと思います。

解答方法など

教科別にみると、数学が撃沈しました。これはある程度は予想していたのですが、やはり手を使って計算できない、図やグラフをかけない事は相当不利です。トレーニングを徹底的にすればセンターレベルならどうにかなるとは思いますが、今回他の教科との兼ね合いもありなかなか困難でした。まっ・・・言い訳にも聞こえますけど。文型教科に関しては特に不利な点はなかったと思います。

人工呼吸器をつけていても発声をする方法があるようなので、楽に発声する事ができるならいちいちパソコンを使う必要もないのでもっと楽に受験できると思います。特に文型教科に関しては基本的に回答番号を伝えるだけでいいので口頭で十分事足ります。数学に関しても、声で計算式を言って第三者にホワイトボードなどにその通りメモしててもらえば、パソコンを使わなくてもいいかもしれません。この方法が認められるかどうかは確認が必要だと思いますが。

制度的な面について

今回の受験ではいろいろな方の協力があって実現できたのですが、特に医療スタッフの協力は入院中であるため得られたと思います。逆に言うと、退院後に一個人として同じ条件で受験するのは困難かもしれません。訪問介護サービスなどの制度を利用するという手もありそうですが、個人の負担は大きくなりそうです。(保険利くのかな?よくわかりませんが。)

あくまでも個人的な要望ですが、病院や自宅で試験を受ける事ができれば、負担は相当軽減されると思います。まず、移動の負担がなくなりますし、精神的にも落ち着いて試験を受ける事ができるでしょう。


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